介護士のための排泄ケア

介護現場で役に立つ排泄ケアについて基礎から紹介していきます。

快適なトイレ誘導を行うために。

 

 

ちくわです。


施設では当たり前のように行っているトイレ誘導ですが、
トイレ誘導ってなんですか?と聞かれると答えに困ってしまいますよね。
今日はトイレ誘導について掘り下げて考えていきたいと思います。

 

 

・なぜトイレ誘導をするのか

施設の職員にトイレ誘導について質問をしたところ、こんな答えが返ってきました。
・人間だからトイレに座る。
・漏れるからトイレに座る。
・時間だからトイレに座る。

 

僕達がトイレに行くとき
決まった時間にトイレに座りますか?
人間だから仕方なく座っていますか?

 

ほとんどの方が違うんじゃないでしょうか。
トイレに行きたいから。おしっこやうんちが出そうだからトイレに行きますよね。
お年寄りの方達も僕達と同じです。


トイレ誘導の基本は”尿意・便意を感じてから行うもの”だと僕は思っています。


ですが、○○さんはADL的にトイレに座れません!
△△さんは尿意・便意がほとんどなく、いつもオムツ内に失禁しています!
という風なことも多いと思いますので、そこについての話はまた後日書きたいと思います。

 

 


・トイレ誘導のメリット・デメリット

一日中オムツのみで過ごしてる方がいるとします。
その方がたとえ一回でもトイレに座り排泄ができると、それをきっかけに
快適な記憶がよみがえり、刺激になってADLがグンとあがる。
と言われています。

 

これを聞くと「どんどんトイレに座ってもらった方がいいんだ!」と思いますよね。
確かにトイレでの排泄がうまくいくと、本人も気持ちがいいし、
職員のモチベーションも上がりますよね(笑)

 

ですが、ここで絶対に忘れてはいけないのは、トイレでの排泄を成功させるためには
本人の意志が重要だということです。

 

トイレ誘導の基本でお話したように尿意や便意を感じてからトイレに座るのであって、
行きたくないトイレに無理に連れて行くような誘導をしてしまうと
トイレに対して苦痛を感じてしまうかもしてません。

 

また、個々の失禁についてきちんと評価をすることなくトイレ誘導をすすめても、
成果は上がらないということも理解していただきたいと思います。


本人の意志を尊重しつつ、個々の失禁状態や、排尿パターンを把握しなけれれば
むやみにトイレ誘導を行っても上手くはいかないということですね。

 

 

 

・さいごに

 

今日はトイレ誘導について考えてみました。
毎日行っているトイレ誘導にも意味があること、
科学的な裏づけのあるケアを行うことでグンと介護の質が上がるということが伝わるとうれしいです。