介護士のための排泄ケア

介護現場で役に立つ排泄ケアについて基礎から紹介していきます。

気になる!たまにしか漏れない方の対応方法。

 

ちくわです。

 

今日も質問に答えたいと思います。

 

普段は漏れないのに

1週間に一度くらいオーバー漏れする人がいます。

漏れるときに合わせてパッドのランクを上げるか、

運が悪いと思い、そのまま何も変えないかどうすればいいですか?

 

 

1.原因を探る!

何事も問題が起きたら情報収集です!!

 

なぜ漏れているのかを知ることがとても重要です。

 

 

2.情報をもとに対策!

 

交換時間を変える。

パットのランクを上げる。

時間もパットのランクもそのままで、

交換の1,2時間前に確認の時間を設ける。

 

いろいろな方法があります。

 

 

3.悪いイメージは残りやすい

この時間に漏れていた!

というしんどかったイメージって頭にすごく残りますよね。

 

もうしんどい思いはしたくない。

だから大きいパッド当てとけ!

 

確かにそれ漏れはなくなるかもしれません。

 

しかし、それが質の高いケアかどうかと聞かれると

高いとは言えませんよね。

 

イメージ専攻のケアではなく、

しっかり根拠をもったケアを目指してほしいです!

 

 

4.さいごに

排泄ケアは即時の対応が求められるので、

とりあえず漏れなければ良い

といったケアが多いです。

 

一時的な対応であれば、まだ良いかもしれませんが、

最終的にはきちんと根拠を持ったケアをしたいです。

 

  

 

質問!尿意や皮膚感覚を取り戻すには?

 

ちくわです。

 

今日は質問に答えたいなと思います。

 

尿意やオムツが濡れてると感じたりする皮膚感覚が鈍麻になってる場合回復させることはできるのでしょうか?

 

僕のわかる範囲でですが解説していきます。

 

 

1.皮膚の感覚を取り戻すのは難しい

脳やなんらかの障害で麻痺がある方など、

皮膚の感覚がほとんどない方っていますよね?

 

そういった方の皮膚感覚を取り戻すことは

調べた結果、難しいと出てきました。

 

なにかしら刺激を与え続けていれば

感覚が戻ってくる方もいらっしゃるようですが

個人差がかなり大きいそうです。

 

 

2.濡れていることに慣れている?

障害などで感覚がないわけではなく、

そもそもパッドが濡れていることに慣れてしまっている可能性はないですか?

 

パッドが濡れていることが当たり前で気持ち悪いと感じなくなっている場合は

パッド交換を見直してみてはどうでしょうか。

 

 

3.尿意を取り戻した事例はある

尿失禁のタイプにもよりますが、

普段パッド内に排泄をしていた方が、

なにかの拍子にトイレでの排泄を成功させたとき、

一気に感覚が戻ってきて、尿意などが戻った事例があります。

 

トイレに座れない方だ、とあきらめてしまうと

それまでですが、

少し頑張ってトイレに座ることでADLが上がる可能性はあります。

 

しかし、一番重要なことは本人の意志であり、

職員だけが頑張っても成果は上がらないということです。

 

本人がトイレに座ることを苦痛と感じてしまうと、

機能向上は一気に難しくなります。

 

4.さいごに

専門家が見たら何行ってんだ?

といわれるような内容かもしれませんが、

自分の知る範囲で質問に答えてみました。

 

質問してくださった方ありがとうございます。

 

他にも何かわからないこと、

疑問に思ったことがあればよろしくお願いします。

 

 

 

スッキリ!排泄とは気持ちがいい行為である!

 

ちくわです。

 

あなたの働いている施設で、

排泄が自立されている方はいらっしゃいますか?

 

 

ほとんどの方がいません!と思うかもしれません。

 

介助が必要だから!

パッドをつけているから!

 

と理由はたくさんあると思います。

 

しかし、介助を必要としても、パッドをつけていても、

排泄の自立をしていないのかと言われると

僕は違うと思います。

 

今日は僕個人的な考えですが、

排泄の自立の定義について考えてみたいと思います。

 

 

1.自立とはなんぞや。

単刀直入に言うと、

その人の力を最大限に活かし、快適に排泄が出来ること。

です。

 

簡単に言うとその人らしく排泄をしましょうってことです。

 

 

寝たきりだからこれから先一生自立は無理です!

介助が必要だから自立してません!

というのはおかしな話です。

 

その考えだと、

無理にでもトイレに座りなさい!

自立してほしいからパッドはつけません!

というケアが生まれてしまう可能性があるんじゃないでしょうか。

 

 

 

2.排泄とは、気持ちがいい行為!

漫画やドラマなどでトイレに座っている場面を想像してみてください。

 

なんとなく笑顔でスッキリしたような表情を思い浮かべませんか?笑

 

 

本来排泄とは気持ちがいい行為です。

 

トイレに座ることが排泄である!

よりも

気持ちのいい快適な行為が排泄である!

と考えると日々のケアの内容が変わってくると思います。

 

 

3.さいごに

凝り固まった考えは捨てて、

お年寄りが快適に過ごせるように日々のケアを考えていきたいですね。

 

 

 

 

5分で変わる!失禁の捉え方!

 

ちくわです。

 

よく失禁という言葉を耳にしますが、

人によって、施設によって捉え方が違うことに気がつきました。

 

今日は失禁について考えていきたいと思います。

 

 

 

1.トイレ以外での排泄は失禁!?

僕の知っている施設での失禁の捉え方は

パッドからおしっこが漏れたら失禁である。

でした。

 

僕はそこに違和感を覚えます。

失禁が多いからパッドをつけているのでは?

 

パッドに収まるのであればこれ以上のケアを

考えなくてもよいのか?

 

トイレでの排泄が可能であれば、

出来る限りパッドにおしっこが出ないようにケアをしたいですよね。

 

 

2.トイレの定義

トイレに座れなくなればどうするのか!

という意見もあると思います。

 

僕個人の意見ですが、

以前上げた記事にも書いた通り

僕の考えは苦痛のないケアを提供することです。

 

それを軸に考えると、

トイレに座れない方にとっては

パッドがトイレだと思っています。

 

無理矢理トイレに座らせようとするより、

パッドの中を快適にできる様に考えたほうが良いと思っています。

 

もちろん本人との相談が一番重要ですが、、、

 

 

3.さいごに

 

本人が不快な気持ちにならないようなケアを心がけたいですね。

 

 

 

ていねいは間違い?夜中の排泄ケア!

 

ちくわです。

 

 

施設で働いている方であれば、どの勤務でも

ベッド上でのパッド交換をすることが多いのではないでしょうか?

 

たまに新人さんと夜勤をしていると、

寝ているお年寄りの耳元で

「おむつ替えますね!」と大きな声で声かけをしているのを見かけます。

 

確かに丁寧な対応だと思います。

しかし、時間と状況を考えると適切な対応なのか?と考えてしまいます。

 

そこで今日は、夜中のパッド交換について考えてみたいと思います。

 

 

1.就寝中におしっこは作られない!

健康な方であれば、夜寝ている間におしっこはあまり作られません。

だから、膀胱がいっぱいになることがないので尿意を感じて起きることが少ないです。

そして、朝起きたときに一番にトイレに行きますよね!

 

ですが、お年寄りや、排泄機能に障害をもたれている方は

膀胱におしっこを溜められなかったり、

おしっこをたくさん作りすぎたりと夜、トイレに起きてこられることも多いです。

 

お漏らしをしたくない!と思うと、夜深く眠れなくなったり、

問題が生じてきます。

 

 

2.夜は睡眠第一!

睡眠時間を減らしてでも、何度もトイレに連れて行ったり、

何度もベッド上で交換するよりも、

どうすれば夜中安心して眠れるかと

不安を解消することが重要です。

 

 

 

3.さいごに

夜中に排泄ケアを行ってはいけないという話ではありませんが、

当たり前のように部屋の電気を付けて

お年寄りを起こしてしまうような声かけなどは控えた方が良いかもしれませんね。

  

 

  

意外と多い!排泄ケア中の骨折事故!

 

ちくわです。

 

介護事故の結果として一番多いのが”骨折”です。

転倒や転落などで骨折してしまうことがほとんどですが、

意外と介助ミスでの骨折も少なくありません。

 

そこで、今日は排泄ケア中に多い骨折の原因を紹介したいと思います。

 

 

1.膝を持って広げない!

拘縮や緊張などで膝を硬く閉めてしまっている方って多いですよね。

 

パッドを当てるときになかなか足の間を通すことが出来なくて

苦労されている方も多いのではないでしょうか。

 

そんなときに両膝を持って無理にこじ開けてしまっていませんか?

 

膝を持ってこじ開けてしまうと足の付け根辺りを

骨折させてしまうため注意してください!

 

 

2.脇を横に広げない!

一人が抱えて、もう一人がズボンの上げ下げを行なうような

二人対応でトイレ誘導されている方がいるとします。

 

ついつい抱えるときに脇を持ってしまいませんか?

 

 

お年寄りは関節の稼動域が狭くなってしまうことは

ご存知の通りだと思います。

 

肩は前後には動きやすいのですが、

横に広げるような動きには弱いです。

 

無理に横に広げてしまうと肩付近を骨折させてしまいます。

抱えるときには注意しましょう。

 

3.さいごに

今回紹介した事例は、実際に現場で何度も見たことがあります。

介護のプロとして、介助ミスで怪我をさせてしまうことは

ないようにしたいですね。

 

 

 

 

 

良いケアも押し付けると悪いケア!

 

ちくわです。

 

いろいろな排泄ケアのセミナーなどを受講していると

いつも思うことがあります。

 

 

どの講師の方も一本軸の通った考え方を持っているなぁ。

 

 

そんなしっかり軸を持っている方がかっこいいなぁ

と、いつも思っています。

 

そこで今日は今の僕の考え方を綴っていきたいなと思います。

どこかで聞いたことのあるような月並みな事しか考えられませんが

ご了承ください。笑

 

 

 

1.排泄ケアの主役はケアを受ける側である。

・トイレに座ることはいいことだよ!

・水分をしっかり摂ると便が出るよ!

・オムツをはずすためにはこうしよう!

 

など、とても勉強になる講義ってありますよね。

 

 

どの考え方や知識も素晴らしいもので、しっかり理解しておきたいことなのですが、

このケアは良いことなんだ!

と望みもしないことを押し付けられたときの気持ちってどんな気持ちでしょうか。

 

 ケアを受ける方が何に困っていてどうしたいのか

ということが一番重要だと思っています。

 

 

2.無理な介助は職員の体を壊す。

トイレに座ることは重要なんだ!

と、しっかりと立位を保てない方を無理に立たせ、トイレに座らせる。

 

どうしても座りたいんだ!

という思いをもっている方であればアリかもしてません。

 

しかし介助者側の思いのみで行なっている場合は

ケアをする側も受ける側も良い状態とはいえないと思います。

 

ベット上で交換することは

楽をしているわけでも、手を抜いているわけでもありません。

 

一つの重要な手段だと思っています。

 

 

3さいごに

”無理なく快適なケア”が僕の考えるケアです。

トイレが全てではなく、

その人に合った、方法が必ずあると思います。

 

良いケアを押し付けるのではなく、

いろんな選択肢を提示してあげられるようになりたいです。